「英語の音に慣れ親しむ」のに必要なこと

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 これまで日本では、英語音声にふれる機会が少なかったせいでしょうか、英語の音声を苦手と感じてしまいがちです。小学校英語では「英語の音に慣れ親しむ」ことを大切にしています。実際に「英語の音に慣れ親しむ」にはどのようにすればいいのでしょうか。

1. ことばは「聞く」ことから身につける

 近年、よく「英語の4技能」ということばを耳にします。「4技能」とは、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4つをさします。多くの日本人は、日本語と異なるリズムやアクセントのある英語の音声を「聞く」のを苦手と感じてしまいがちです。

 母語(日本語)を習得する際には、「聞く→話す→読む→書く」の順に身につけていきます。話し始める前から「あいうえお」と、平仮名を学ぶ子どもはいないでしょう。生まれてからずっと四六時中耳にして、1歳半頃になってやっと「マンマン」「ウーウー」のような喃語(なんご)を口にします。

 口から出てくることばは、大人から教えられたものではなく、子どもがよく耳にすることばや、必要とすることばです。最初は、「マンマ」「パッパ」を口にすることが多いようです。「マンマ」は赤ちゃんにとって重要な存在の「ママ」、そして食べ物の「マンマ」のことでしょうし、「パッパ」は母親がよく口にする「パパ」ではないでしょうか。

 赤ちゃんは人から教わったことばではなく、よく耳にすることばから口にし始めるのです。そのことばを使って、正しければ使い続け、通じなければ訂正して使ってみます。まわりの人が反応してくれたり喜んだりしてくれれば、「これは正しい使い方なんだな」と学習することができ、身につけていきます。

2. どんな英語を聞いたらいいのか

 ことばを身につけるには、まずは「聞く」力をつけることが必要です。それは外国語である英語を身につける場合も同じです。

 英語には、日本語にはないリズムや強弱のアクセントがあります。よく「LやRの発音が重要」といいますが、じつはそれよりも重要なのは、英語のリズムや強弱のアクセントです。リズムやアクセントを身につけるためには、英語の文章を耳にしたほうがいいでしょう。子どもは大人とちがい、単語やフレーズだけを何度もくり返すことには飽きてしまいますし。効果はありません。

 英語のリズムやアクセントを身につけるには、英語圏のわらべうたである「マザーグース」などはとてもいい教材です。内容はナンセンスなものが多いですが、英語圏の子どもたちはマザーグースを聞いて、英語のリズムやアクセントを身につけていきます。また絵本も、子ども向けにリズムよく書かれているものも多くお勧めです。

3. 「英語の音に慣れ親しむ」とは

 小学校の英語では「英語に慣れ親しむ」ことを大切にしています。「英語に慣れ親しむ」とはどういうことなのでしょうか。

 英語の音を耳にしたり、口にしたりすることに違和感を感じない状態ではないでしょうか。母語(日本語)でもそうだったように、最初は意味がわからなくても、何度も聞いているうちにわかるようになる。さらには言ってみたくなる。そのようなことが、「英語の音に慣れ親しむ」ことではないでしょうか。無理なく英語にふれて成長すれば、中学校や高校の英語の授業で「リスニングに困らない」でしょう。

 同じ内容を何度もくり返すことには、子どもは飽きてしまいますし、違和感やストレスを感じてしまいます。「あの英語の先生、毎回、ぼくの名前と年齢を聞くんだよ。もうそろそろ覚えてくれたらいいのに」と言っていた小学生の男の子を思い出します。子どもは意味のある内容を聞きたいのです。同じ内容のくり返しは、子どもにとっては意味のないものですから、飽きてしまうのです。

4. 日本人が目指すべき英語

 これまで日本人が英語が苦手だったのは、英語音声を「聞く」ことが少なく、「英語に慣れ親しんで」いなかったのです。聞けない英語は理解できませんから、答えることもできません。

 さらに流暢な英語の音に弱い日本人は、ペラペラと話す英語に圧倒され、内容がどうであれ「そのように英語を話せる人は、英語ができる人に違いない」と感じてしまいます。いわゆる「ペラペラ信仰」です。英語が流暢だからと言って、内容があるとは限りません。

 日本人である私たちが目指すべきなのは、よどみなく話すことではなく、内容のある英語を話すことです。いまや英語は、国際言語として世界の各地で使用されています。そしてそれらは、それぞれの国の母語の影響を受けています。インドの人はヒンディー語の影響が強く、シンガポール人はシングリッシュと呼ばれる独特な英語を話します。私たち日本人は、日本語なまりがあってもいい。それよりも中身のある、自分が表現したいことを伝えられる英語を身につけていきたいものです。

 ラボ・パーティでは、多くの英語音声を耳にし、その英語で劇活動を行って、英語の音に慣れ親しんでいます。劇を通して英語を身につけると、実際に英語を話す際に必要な「勢いや雰囲気」を備えた英語となります。短文や単なる会話文ではなく、長文の英語で語られる物語を教材にすることで、英語らしい音声、そして内容をともなった英語が身につきます。ぜひ一度、体験にお越しください。


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