日本人は「英語が話せない」とよく言います。それは日常生活に「話すチャンスがない」ということに加え、「話したい」という気持ちにならないからではないでしょうか。どうしたら英語を「話したい」気持ちを育てられるのでしょう。
1. 「話したい」という気持ちが必要
ある小6の子どもの母親が英語の授業参観で、「ALT(Assistant Language Teacher)が『Eye Contact、Use Gesture、Big Smileが大切』というから子どもは一生懸命やっていまた。だけど言葉(英語)や表情に気持ちがこもっているようにはみえなかった」と話していました。
一方、ある中学校で教えるALTは「日本の生徒は話さない」と話します。日本は「おとなしく聞いているのがいい生徒」とされる文化であり、間違いたくない、または目立ちたくない生徒が授業であまり発言しないのは事実でしょう。
日本の子どもたちが英語を積極的に話すには、「話したい」と思う気持ちが必要です。そのためには、自由に自分の意思を発言できる場や授業です。ネイティブ・スピーカーの先生が相手なら話せるようになる、というのは幻想で、まずは自分の気持ちが必要なのです。
2. パターンプラクティスだけでは身につかない事実
多くの英語のレッスンでは、”How are you?”と聞かれれば、みんな”I’m fine, thank you.”と答えますが、なかには”fine”ではない子どももいるでしょう。また”Do you have a watch?(時計持ってる?)”の答えは、英語の授業では”Yes, I do.(はい、持ってます)/No, I don’t.(いいえ、持っていません)”を求められますが、実際の会話では、”Yes, it's ten o'clock.(はい、10時です)"となります。実際には、相手が腕時計を身につけているのはわかっているので、時間をたずねたいのですね。
子どもが習う会話の内容は、本当に答えたい会話のキャッチボールになっているでしょうか。”I’m fine.”のかわりに、”I'm not good”と答えたらどうでしょう。”Why?”と聞かれて、”I'm not good, because…”と話せたら、自分の話したいことをや聞いてもらいたいことを、子どもは話し出すでしょう。
この30年間、学校ではコミュニケーション力を重視した英語教育が進められ「話す」「聞く」が重要視されてきました。その結果、同じ内容をくり返すパターンプラクティスが中心となってしまいました。
「子どもだから英語の基礎として、まずはパターンを覚えることが必要なのでは」という意見もあるかもしれません。子どもはパターンを繰り返しているうちに飽きてしまい、やがて英語嫌いになってしまいます。「いつまでたっても、言いたいことが言えない」のは苦痛でしかありません。
単に単語や文法をくり返し学ぶのではなく、感情を揺さぶるような何かがあり、それを伝えたい相手がいるから使い、結果として言葉が身につく。そのような習得方法が、とくに子どもの場合には必要なのです。
3. 感情をともなった英語を身につけるのに必要なのは
私たちはことば(母語であれ外国語であれ)を、考えたり、気持ちを表現したりすることに使います。自分の思考や感情のないところにことばは生まれませんから、英語もそれらを表現することを通して身につけるといいでしょう。
子どもの感情を奮いたたせるには、そのために考えられた「教材」や「仲間や指導者」、さらには「経験」が必要となってきます。子ども一人ひとりの思考や感情に沿う、多様性を認める学び方。一方的に教えられてしまう英語、暗記する英語ではなく、子ども自身の感情が揺さぶられた結果、話したくなる英語を育てていきたいものです。
ラボ・パーティでは、そのような「教材」「仲間や指導者」「経験」が準備され、さまざまなプログラムを展開させて、子どもが話したくなる英語教育を行っています。夏休み中には全国各地で活動を展開しますので、ぜひ一度ご参加ください。お待ちしています。
子ども英語教室「ラボ・パーティ」を探す