親が知りたい小学校英語の実際

  • この記事をシェアする

 3年前の春から、小学校で英語科が始まりました。それまで外国語活動だった時間が、小学校5、6年生で「教科」となり、小3、4年生で「活動」となりました。「教科」と「活動」の違いは、教科になると検定教科書ができ、評価(成績)がつくようになるということです。

 

 親の世代にはなかった小学校での英語教育ですが、どうなっているのでしょう。また、小学生年代には、どのような英語の学びが効果的なのでしょう。今回はそのようなことを考えていきたいと思います。

1. 英語嫌いが増えた小学生

 昨秋に、令和3年度(2021年)「全国学力・学習状況調査」(国立教育政策研究所・教育課程研究センター実施)が報告されました。
「英語の勉強が好き」な子どもが68.3%いるのは、少しホッとしますね。しかしながら英語が教科になる前の2013年には76.3%いましたので、8%減ってしまいました。このことは「英語が嫌いな子どもが、8%も増えた」ということでもあります。英語教育改革にひとつとしてスタートした小学校英語ですが、英語嫌いが8%も増えてしまったのは、ひじょうに残念なことです。

2. 小学校英語はどうなっている?

 2013年当時、小学校英語は「活動」でしたから、先生方が工夫した活動で、子どもは楽しく英語にふれることができました。しかしながら「教科」となると、そうはいかなかったのでしょう。「教科」になって教科書ができ、テストがあって、評価(成績)もつくようになりました。新しく始まった「英語科」を指導する先生方もたいへんです。忙しいなか、新しい教科の準備など負担も大きかったことでしょう。
 指導もたいへんですが、何をどのように評価したらいいのか。小学校英語ではスペリングを覚える指導はしないことになっていますので、ペーパーテストでの評価はむずかしい。話すテストも一人ひとりの話す内容を聞いて、態度などもふくめて公正に評価するには、基準をどのように設定したらいいのか。
 また中学校英語と連携して英語教育を検討することが必要なのですが、なかなかそれもできていないのが現状のようです。さらに小学校での学習単語は600~700語もあり、中学英語での既習単語は以前は1200語だったのが、1600~1800語と増えました。小学校から始まった英語ですが、中学校では「できる子」と「できない子」との二極化が起きるようになりました。

3. 英語を身につけるのに必要なモチベーション

 英語を学ぶには学習者がモチベーションをもち続けることが重要です。けれども上記のように、既習単語が増え、授業数が増えないのであれば、小学生がモチベーションをもてるような豊かな表現活動や、異文化交流を通じての英語の学びはむずかしくなります。

 小学校で英語嫌いにならないために、その後も長く学んでいけるためには、どのような学び方がいいのでしょうか。

 小学校年代で優先したいことは、音声面の学びです。日本語とは異なる英語の音声を身につけることは、小学生にとっては多くの苦労は必要ありません。大人とは違って音をキャッチすることは、小学生は得意です。小学校英語でも、「聞く」ことを重要視していて、まずは聞いてから、話す、読む、書くことに進むことになっています。

 日本語とは異なる英語の音声とは、英語らしい音の流れです。「LとRの発音の違い」はよく言われますが、それよりも大切なのは英語の強弱のアクセントやリズムです。少しくらい発音が違っても、アクセントやリズムが正しければ英語は通じます。幼い頃にこれをしっかり身につけておくことが、将来の英語習得の土台になるのです。

4. どのように学んだらいいのか

 音声を身につけるには、「聞く」しかありません。大量の英語音声を耳にして、英語の音の流れに慣れる必要があります。週に一時間のレッスンで聞けるのは、せいぜい10~20分程度でしょうか。また英語指導に慣れていない先生の、日本語訛りの英語を聞いているようでは、英語音声は身につきません。

 量だけではなくその音の内容も重要です。「聞く意味のある内容」であることが必要です。ある英語教室に通う男子が言っていました。「先生は毎週、”What’s your name?”と聞くけれど、いつになったらボクの名前を覚えてくれるのだろう?」。子どもは英語のパターンを学んでいるのではありません。話す内容に興味がなければ、モチベーションを保って学び続けることはむずかしいのです。

 小学生の心が柔軟な年代に、「聞く意味のある大量の音声」を「聞く」と、その後の英語の学びに効果があります。聞くことができれば、さまざまなニュースを耳にしたり、音楽を聞いたり、映画を観たりして英語を使用する機会を得ることができ、英語を学び続けるモチベーションにもなります。

5. 英語をみずから学べる子どもに

 言語は一生をかけて学ぶものです。そうでなければ英語を話せるようにはなりません。小学校で英語嫌いになってしまっては残念です。また、受験や資格試験に受かったからと英語の学びを止めてしまうので、いつまでたっても英語は話せないのです。

 英語の環境に自然にいられて、英語を使用することに興味をもつこと。そのように英語と付き合い続けていれば、いざ英語が必要となったときには自分に必要な英語を学ぶことができるのです。暗記とくり返しの英語学習では、実際に使える英語は身につきませんし、そのような英語はAIが替わってくれるでしょう。英語を使いこなせる人間になるために、モチベーションをもって学ぶことのできる英語学習を、ぜひお子さんに経験させてください。

 子ども英語教室「ラボ・パーティ」では、「聞く」ことをベースに英語を身につけます。さらには対話と協同、キャンプや海外ホームステイといったさまざまな経験を通して、子どもの英語力,コミュニケーション力を育みます。ぜひ一度、体験教室にご参加ください。

子ども英語教室「ラボ・パーティ」を探す

  • この記事をシェアする

<PR>