映画『国宝』をご覧になって、歌舞伎や日本舞踊の華やかな世界にこころを奪われたという方は多いのではないでしょうか。 スクリーン越しに伝わるあの独特の美しさや、凛とした佇まいは観ていてもドキドキしました。
自分もあんな風に踊ってみたい 伝統の世界に触れてみたいと、憧れを抱くのは当然ですよね♪
日本舞踊と歌舞伎は切っても切り離せない関係にあります。 日本舞踊は歌舞伎の振付や所作を基礎として発展してきました。ですから、日本舞踊を学ぶことは、歌舞伎の世界をより深く、もっと身近に味わうための「一番の近道」と言っても過言ではありません。
「難しそう」「私には無理かも……」と感じる必要は全くありません。 第一、歌舞伎役者さんは、まず日本舞踊を習うんですから!
以前、私の師匠からこんなお話を聞きました。 六世藤間勘十郎先生が「日本舞踊の所作は、特別なことではなく、普段の生活から生まれたものであり、例えばご飯を食べるときに手をどのように使うかなど、すべてが自然な動きであるんだとおっしゃっていたそうです。 日舞の動きは決して異質なものではなく、日本人が古来から大切にしてきた「美しい立ち居振る舞い」そのものなんです。 背筋を伸ばし、指先まで意識を向ける。ほんの少しの心がけで、日常の所作が洗練され、立ち姿までもが凛とし、変わっていきます。
私がお稽古場で大切にしている事は、一生懸命に打ち込んでもらう環境を作ることです。伝統芸能の稽古場では、あえてゆっくりと言う時間を過ごし、成長を見守っていくことをいたします。すぐに結果を出すことに必死な世の中ですから、もどかしいかもしれませんが、お子さまや皆様が一生懸命にひとつのことに取り組み、単なる技術だけでは無いものを学んでいただけたらと常に思っております。
『国宝』と言う作品が世に出たことで、伝統芸能が持つ張り詰めた美しさがより多くの人の目にとまり、伝わったことは嬉しいと感じています。 同時に、私自身も負けないよう、稽古時間の一瞬を大切にと背筋が伸びる思いです。








